糖尿病予防、ウェアラブルで実験

糖尿病一歩手前の人に対し、腕などに付ける「ウェアラブル電子機器」で運動量や健康情報を計測し、データを活用することで生活習慣の改善を促そうと、トヨタ自動車、三菱地所、ユニクロ、タニタなどが参加して実証実験を始めることが分かったそうだ。経済産業省のモデル事業で、今夏から半年間実施するとのこと。2000万人を超える糖尿病予備軍が人工透析などの治療を必要とする前に、情報技術で「行動変容」するモデルを作り出すそうだ。増大する医療費の削減も狙いだという。
経産省は今春、「健康・医療情報を活用した行動変容モデル事業」参加者を公募。識者の意見を踏まえ、8グループを内定した。モデル事業では、糖尿病の指標になるヘモグロビンA1c値が高いが腎機能障害がない「治療一歩手前」の人たちから同意を得て、腕時計状などのウェアラブル電子機器を装着してもらう。心拍数、歩数、消費カロリー、睡眠の深さ、興奮・リラックス状況などを把握し、データをスマートフォンやタブレットに自動転送。血圧、体重、食事内容なども記録してもらい、データを半年間、常時記録し続けるという。状態が悪化すると警告を発する仕組みで、医師や看護師、栄養管理士らが”イエローカード”情報を提供して日常生活を改善してもらうとのこと。
健康に関するデータは「究極の個人情報」にあたるため、参加者本人から書面で同意を得た上で、データは特命化してプライバシー保護に配慮するという。
厚生労働省によると、糖尿病の患者は316万人で、医療費は1兆2000億円。糖尿病が「強く疑われる」「可能性を否定できない」予備軍は計2050万人に及ぶ国民病だ。予備軍は年間数の健康診断で注意を受けても生活改善が難しく、治療・透析に陥る例が多かったという。
経産省は予備軍とされた人にウェアラブル機器の警告が有効なことを学術的に立証し、普及させて医療費削減を目指すとともに、糖尿病のデータベース創設も目指すという。
健康診断で予備軍と言われてもあまり危機感を感じない人が多いのかもしれない。ウェアラブル機器で日々のデータをチェックして生活改善していけば、糖尿病を未然に防ぐことができそうだ。